建装部会はこのほど、新築時に発生する壁紙の端材、リフォームや解体時に発生する使用済み壁紙、壁紙工場から廃棄される壁紙などを利用した「建材用リサイクルボード」を開発中です。
建築廃棄物は、平成7年で全産業廃棄物の約20%にあたる約7,800万トンあり、また埋立最終処分量の約40%が建築廃材といわれており、その再資源化が迫られています。建設省も「建築解体廃棄物リサイクルプログラム」を策定、リサイクル促進の法律を平成12年4月の国会に上程の予定と言われています。
わが国においては、壁紙は"建築物の内装仕上げ材"として認知(欧米では室内装飾)され広く普及しており、使用される壁紙の90%以上は塩ビ製壁紙となっています。これは、塩ビの印刷性、意匠性、強度などの優れた特性によるものです。したがって、今後過去に使用された塩ビ製壁紙が、住宅の解体やリフォームで多量に排出されることが推定され、その再資源化は急務となっています。
建装部会が開発中のリサイクルボードは、廃材壁紙を主原料として、これに故紙や樹脂系廃棄物を加えた100%廃棄物を原料としており、新たに樹脂や接着剤は加えていません。高温で加熱形成しており、ホルムアルデヒドなどの有害物質の発生もほとんどありません。さらにこのリサイクルボードは、使用後再びリサイクルボードとして再生利用が可能です。また木材のように、釘打ち、ビス止め、鋸切り、孔あけなどが可能です。
建装部会では今後、住宅の床や壁、間仕切りなどの芯材や家具、梱包材料、車両用基材などに向け用途開発を進め、建築会社や住宅、建材関連に広く採用を働きかけていきます。同時に、日本ビニル工業会に加盟するメーカーやその他壁紙メーカーにも情報を開示し、リサイクルボードの販売や生産、廃棄壁紙の回収システムなどの業界ベースで協力関係を築きながらリサイクルシステムの構築を進めていく考えです。
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